一日の用事をすべて終えリビングに一人陣取る。
待ちに待った時間。
映画「クリード」を見始めた。
テンポ良い出だしで一気にストーリーに引き込まれる。
定番の筋をたどるがグッと胸に迫る場面が随所にあって、例のごとく学び多くやはり感動的な作品であった。
子らがこの作品の定番性を皮肉ったり冷笑する側の男子でないことが心から嬉しい。
ロッキーシリーズに共感覚える彼らはもはや傍観者の側ではなく、いっぱしの男子としてパワーとパッションを不可欠とする側にある。
戦う、という文脈にあることがサバイバルする男子には避けられない。
ロッキーが言うように究極的には自分との戦いであるが、誰だってリングに立たされ下手すればそこでどつきまわされる当事者となる。
そのような現実を理解したときはじめてロッキーシリーズの真価が芯から理解できるようになる。
そこには男子として学ぶべきすべてが詰まっている。
友情、家族愛、死者への想い、負けじ魂。
独りリングに置かれる男子にとって、これら作品群が心強いセコンドのような役目を果たす。
今作でファイターの系譜が縦にしっかりつながった。
かつての登場人物らが敬意をもって振り返られ、それらの思いが連鎖し結晶化したように新たなファイターが出現することになった。
一歩踏み込め、打ち抜け。
ロッキーは若きファイターに連呼する。
我ら全員にとっての心強い励ましのように聞こえる。
ロッキーを見れば何が自分を支えるのかそれがとてもシンプルに理解できる。