先日のこと。
趣味はと聞かれ、言葉に詰まった。
思い巡らせても何だか根暗なような部類のものばかりであり、その場に適し答えて体裁のいい趣味など何一つ思い浮かばなかった。
読書、映画、晩酌、サウナ。
どれもこれも一人ぼっちの自己完結の世界。
いやあ、そうですね、ええと、ええと、口ごもっているうちに話題は他の事へと移っていった。
休日には海仲間と波に乗ります、や、山仲間とトレッキングです、や、幼馴染とゴルフです、など、晴天のもとスカッと爽やかわいわいがやがや取り組むものが一切ない。
それで趣味という言葉がキーワードのように頭に居着いていて、これもまた趣味であろうと思い至ったのであるが、やはり自己完結の極み。
ちょっとした待ち時間があれば、いつもする。
スマホでアルバムに見入る。
あんな時代、こんな時代の子らの写真がそこに余すことなく網羅されている。
それら眺めつつ一人悦に入る。
わたしのなか、趣味オブザ趣味とも言える位置づけだ。
かつて知り合いの事業主は言った。
目の前で子どもと女房が溺れていたら、女房を助ける。
うちの場合、女房を助けようとしたらどやされるに決まっている。
つべこべ言わず子を救え。
女房なら必ずそう言うに違いない。
女房もまたわたしと同様、ふと手が空いたとき、子らの写真に目を細めている。
2016年8月最終日、月末極みの煩忙を前に、また親バカ色濃厚な日記をしたためた。