KORANIKATARU

子らに語る時々日記

息子が二人、それで多分ハッピーエンド

そろそろ機種変更をとの家族の声を受け、ソフトバンクに寄ってiPhoneXの見積もりをもらった。

せっかく近くまで来たので、その足で野田阪神ウイステの地下に降り、鳥清の地鶏タタキを買い求め夕飯のための赤ワインを選んだ。

 

この地鶏タタキが息子らに好評。

人気の品なので早めに行かないと売り切れる。

運良く家族が食べる分量を調達できた。

 

ひと仕事終えてから帰宅。

 

まっちゃんにもらった上海土産のソースを使って家内が麻婆豆腐を作っていた。

出来上がるのを待つ間、地鶏タタキをそのソースにつけて食べてみた。

うまさとうまさが融合し、数倍増しの美味しさになった。

 

やみつきになる。

まっちゃんが言ったとおり。

カラダが芯から欲する、求めて止まない辛さと言えた。

 

家内と向き合い麻婆豆腐を食べる。

話題は息子。

どれだけ手をかけ育てても、どのみち独り立ちして家を出ていく。

 

そんな寂しいトーンの話を家内がするので、わたしは断言した。

でもいつか、最期にわたしたちを迎えに来るのは息子らをおいて他にない。

 

そう言って先日観た映画について家内に話した。

『ローズの秘密の頁』。

アイルランドの映画である。

 

アイルランドと言えば厳格なカトリックの国。

宗教の名のもと、つい最近まで国を挙げて女性を抑圧してきた。

 

だから主人公ローズの恋は悲恋となって息子は失われ彼女は精神病院に収容されることになった。

 

当時アイルランドでは、婚外子を宿したとみなされれば罪とされ女性は厚生施設に収容されて労役を課された。

子が生まれても引き離される。

だからいまなお我が子を探し続ける母がいて、その数は6万人にのぼるという。

 

そんな馬鹿な話があるものか。

そう思うだろうが、同種のテーマを扱った映画『あなたを抱きしめる日まで』や『マグダレンの祈り』など観れば、ただただ厳粛な思いになって気持ちが沈む。

 

罪作りな法によってローズも人生をまるごと全部踏みにじられたようなものであった。

とは言え、神父の子を宿したと疑われるだけでももってのほかといった話であり、その子を産み落とした直後に殺害したとなれば情状酌量の余地はなかった。

 

それでもローズは信じ続けた。

いつか息子が迎えに来る。

その確信だけが彼女の晩年を支えた。

 

そして、映画はラストに至る。

果たしてそこには息子の姿。

 

息子がいるということがこれほど心頼もしく思えるシーンは稀有だろう。

わたしはラストに拍手喝采し、ああよかった、よかったと心の底から安堵した。

 

家内に話す。

息子が二人いる。

それだけでも手を叩いて喜ぶようなことである。

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2018年10月29日夕飯 まっちゃんの上海土産で作った激辛麻婆豆腐、30日朝食 手製らっきょ付ヘレカツカレー