何か買って帰ろうか。
そうメールを送ると、いま難波駅だと家内から返信があった。
午後、きじ歯科にて診察を受け帰る途中なのだという。
では野田阪神で合流しようと話が決まった。
道すがら、商店街でイカ、中トロ、サーモンといった刺身を選び、焼き魚用にアジと銀鮭を買い求め、家内からリクエストのあったプロシュート類も忘れず仕入れ、野田阪神に到着したが、わたしの方が早く着いたので、一足先に下りの電車に乗ることにした。
駅を降り改札を出るとき電話が鳴った。
何かあったのだろうか。
業務終了後なので身構える。
見ると、家内からだった。
受けて話すと、音声多重。
電話からと後ろから家内の声が聞こえ、後ろからの声がだんだん大きくなっていった。
結局、わたしたちは同じ電車に乗っていたのだった。
貴治くんの様子を家内に聞くと、いま二男も直々に貴治くんの診察を受けているという。
たまたまこの日、家内も二男も天王寺に用事があって、天王寺からならアクセス至便。
京阪神各地、星光生が営む医院・歯科医院がそこら中にあるから非常に助かる。
帰宅し、家内に促されジムへとクルマを走らせた。
二人でジムに行くのは何ヶ月ぶりのことだろう。
たっぷり一時間、運動することになった。
筋肉を大いに苛めた充実感を引っ提げ家に戻って白ワインで乾杯。
簡素だが実においしい夕飯を二人で分け合った。
テレビで流すのはNetflixのラインナップにあった『孤独のグルメ』。
東京の地の主流というよりは支流に佇む町を散策し食する様子が何とも粋で、初見でわたしは大いに気に入った。
隣で見ていた家内も興味津々といった様子。
料理のインスピレーションがあれこれ湧いて出ているに違いなかった。
多少なり食のお手本として役立つことになるのだろう。
夫婦の楽しみがまたひとつ増えた。