朝から降り続いた雨が夕方やんだ。
近場の風呂屋に出かけサウナで生気を取り戻す。
待ち合わせは午後7時。
野田阪神の寿司割烹もりに歩いて向かった。
途中、勉強場所からやってきた二男と出くわし一緒に歩いた。
店に入ってまもなく家内と長男が現れた。
長男の顔がツルツルでテカテカ。
ジムでトレーニングした後、家のミストサウナで仕上げてきたという。
やはり、血は争えない。
ちょっとした行動の細部に近似が窺え、父子なのだとの感が強まる。
左からわたし、二男、長男、家内という順でカウンターに腰掛けた。
親で子を挟むみたいな形になった。
まずはじまったのは映画の話。
受験が終われば飽くまでみればいいと二男に断ったうえで、わたしと長男で最近観た映画について所見を述べ合った。
所々、二男も思い入れある映画について語り、男三人でとっておきの映画情報を交換し合った。
いつか男三人で家内を連れ劇場に足を運ぶこともあるだろう。
続いて受験談義。
西大和の賢い奴列伝の話に附随し彼らの勉強法や使った参考書などについて長男が語り、二男にとっても参照する点が多々あって、それなり良き感化を受けたようだった。
そして、筋トレの話。
効果的なトレーニング法について兄弟で語り合い、家内も意見を述べ、わたしはそんな会話に消極的に関わった。
それを見透かし長男がわたしに言った。
素材はいいから、鍛えればもっといいカラダになる。
助言ありがとう。
でも見映えに関する欲は消えて久しく、いいカラダについてはどうでもいい。
わたしの運動の目的はストレス発散。
君たちのガタイの行方を楽しみにする。
差し出される寿司のペースがゆっくりだったから、その時間の空隙に、山ほどの言葉が行き来した。
多弁な家族4人が食事するのにうってつけの「間」と言えた。
雲丹が美味しく皆でお代わりし、牡蠣はカラダにいいと長男が勧めるからこれも皆でお代わりした。
もうシャリがない。
大将がそう言うので、最後は鉄火でしめてそこでお開き。
手狭な店で肩寄せ合い家族の結束は更に強まり、永く思い出に残る実にいい食事になった。
良き夕餉の余韻にひたりつつ家内の運転で帰途につく。
ハードな音楽を流しノリノリ。
夜の暗がりのなか車内はそこだけとても明るく、家に帰っても引き続きその明るさが衰えることはなかった。
その夜、兄弟二人は同じ部屋で仲良く眠った。