懐かしい音楽が聴きたくてこのところSmooth Radio LondonというFM放送を部屋で流している。
朝、出かけるとき家内の歌声が階上から聞こえた。
流れる曲に合わせて歌って家内はいまとても幸せなのだろう。
そう思うとわたしの口元もほころんだ。
一足先に出かけた二男も今朝は終始笑顔だった。
この日が定期考査の最終日。
試験の後、部活の仲間と連れ立って風呂に入り飯を食うという。
地味で単調な日が続くから、たまにそんな日があればニヤけるのも当然だろう。
新型コロナの影響で部活動が中断し、目指してきた大会が中止になった。
何が悲しいといって、せっかくできた仲間ともう一緒に戦えない、それが辛く切ないことだった。
中1から皆で頑張ってきた。
その成果を高3の大一番で見せるはずだった。
それが尻切れトンボで終わって心に生じた虚脱感は決して小さなものではなかった。
が、そこは仲間もみな同じ。
心を合わせ、乗り切ろうと固く誓い合った。
そんなメンバーと試合の後でするみたいに、この日、風呂に入って飯を食う。
そりゃ楽しみで仕方ないだろう。
二男にかけがえのない友だちがいる。
それが親としていちばん嬉しい。
どの友人もみな魅力的。
皆で励まし合って力を合わせ先の先までずっと仲良くしてもらいたい。
そう切に願うが、そこは大阪星光。
図らずとも、そうなる。
素っ気ない箸一本であっても、そこに入れば綿菓子が膨らむように友だちができる。
なんてありがたい話なのだろう。
仕事の時間はあっという間に過ぎていく。
気づけば業務が終わって、場所は天王寺。
足は当然、阿倍野の正宗屋に向いた。
帰ってこい。
家内からそんなメールが届くが、しかし折々、女房孝行が欠かせない。
料理する手を休め、時々は楽をしてもらわなければバチが当たるというものだろう。
夕飯を作らずに済む。
そう思ってリビングで歌う家内の姿が頭に浮かぶ。
家内が幸せ、そう思うと、ビールの旨さが倍加した。
皆がハッピー。
たまにそんな日があってもいい。