久々、家で夕飯。
週末日曜はどうしよう。
GWはどうしよう。
ビールを飲みながら夫婦で話し合った。
何か美味しいものを食べにいこう。
では、寿司。
日曜はそう決まった。
GWは?
どこか遠くでゆっくりしよう。
北海道あたりか。
でも北海道に行ったところで、そこで話す内容といったらどうせ息子たちのこと。
わざわざ遠くに行って恋しさを募らせるなら、そばに行くのが正しいのでは。
では5月もまた東京。
そのように行き先が決まった。
が、その結論に新聞の紙面が暗い影を落とす。
『変異株、大阪・兵庫で激増』
不穏な雲行きの第二幕をこの短い見出しが暗に告げていて、わたしたちはその渦中に身を置いている。
日頃行き来する大阪市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市すべてがまん延防止の重点区域に指定されているのであるから包囲されたも同然。
どの店を予約しようか。
浮かれる家内の脳内とは正反対。
わたしの頭の中には家でじっと息を潜めて過ごす夫婦の姿が映写されていた。