この春を東京で迎えるメンバーは十数名。
近隣他校のボリュームと比較すればいかにも小所帯であるが、そこは大阪星光、結束は固い。
このほど彼ら66期上京組のライングループが結成された。
メンバーは東大の9人を筆頭に早稲田が5人に一橋が1人。
進む大学や学部は異なるが、中高6年を通じ互いの力を熟知しているから単に仲がいいというだけでなく、そこにリスペクトの念も行き交って、だからチームとしての堅牢はそんじょそこらのものではない。
世の光の卵として東京の地にて集団就職するようなもの。
わたしにはそう思える。
環境は様変わりするが心配は無用。
親元を離れ新天地に赴いた彼らの前途を、心優しい東京星光会の面々がきっと温かく見守ってくれるだろう。
日曜の朝、皆より一足遅れて二男が東京へと旅立った。
家には夫婦のみが残された。
買ってきたものを二人で食べ、もう息子の分を残す必要がないと気づいて幾ばくかの寂寥を感じたが、ちょうどそのとき二男から動画が送られてきたので、沈まず済んだ。
部屋の各所を映す動画に続いて渋谷にある焼肉屋の様子。
東京初日の夕飯は焼肉で、連れは東大に進む友人たちだった。
家内と眺めて、喜びが込み上がった。
一緒にご飯を食べる友だちがいて、我が子が彼の地で充実の時を過ごす。
そう思えば、寂寥の入り込む隙などどこにもないのだった。