空に晴れ間が見えたのは久方ぶりのことだった。
初夏の陽気に誘われ、朝、武庫川に向かった。
陽が強く照りつけ、気温がぐんぐん上がっていった。
生気あふれる光のなかをただ黙念とわたしは走った。
このようにして一日が始まり、そして午後3時。
昼に帰阪した長男を含めて家族4人。
遅い昼食をとった。
誰も空腹など感じていなかったが、しっかり食べようとわたしが皆を促した。
場所は上本町の明月館。
座敷で向かい合い、胸に灯る思い出をそれぞれが語った。
思い出の断片がひとつに繋がり共有のものとなって、たどりついた結論はシンプルなものだった。
元気出して頑張っていこう。
それが何より。
食事を終えて新大阪駅までクルマを走らせた。
連れ立つ二人の息子の背を見送って、家内と二人、家路についた。
わたしたちには息子が二人いる。
それがとても心強いことに思えた。