事務所にクルマを置き自転車に乗り換え街に繰り出した。
家内が前を走り、わたしは後を追いかけた。
日曜の市内中心部は人通り少なく、空が広々として見えた。
日向と日陰が交互に過ぎて、疾走すれば初夏の陽気と涼気が渦を巻き、空気の匂い良く、木々は目に眩しく、風に吹かれて全身が爽快。
命躍動の電源にスイッチが入ったようなものであり、知らず知らず表情は喜色に染まった。
谷町六丁目から走り出し本町を経て靭公園に着いたのがちょうど昼どき。
繁華街を避けて正解。
オピュームで静か語り合い、イタリアンを味わった。
食後は靭公園でくつろいだ。
大勢の人が休日の午後を満喫し、そこに混ざって、子らを伴ってここで遊んだときの昔話にわたしたちは興じた。
続いて南へとくだり、ちひろ菓子店でおやつを買って、夜食も買った。
夜は寿司を食べようとなって、鶴橋まで足を伸ばし入船寿司で折詰をテイクアウトした。
事務所に戻って、夕刻。
休日の事務所でお茶してからクルマで帰宅した。
夜、寿司を食べつつ子らが写る動画に二人して目を注いだ。
今年の入試期間に家内が撮った数々の場面を見て、2年前のものと見比べた。
見入ればハラハラドキドキが避けられない。
我を忘れて手に汗握り、フィナンシェのおいしさで我に返って、もう入試は終わったのだと気がついた。
夫婦で顔を見合わせほっと胸を撫で下ろすこの心地よさといったらない。