月曜日の朝、いい感じで目が覚めた。
さあ、頑張って仕事しよう。
颯爽と家を出た。
息子らの勧めがあってAirPodsを上位版に買い換えてあった。
封を開けて耳に差し、駅へと歩きノイズキャンセリングの威力を実感した。
自らの世界に心地よく没入し、思った。
今までの人生は何だったのだろう。
快調な滑り出しであったが、昼を過ぎ疲労を覚えた。
こんなときは早々に手当が必要。
夕刻、岩盤浴へと立ち寄ってから帰宅した。
時刻は午後7時半。
家内もちょうど帰ってきたばかりだった。
芦屋の水春で過ごしていたという。
やはり両者、旅の疲れが残っていたのだろう。
そして、いち早く手当するのは家内も同様のことだった。
顔を合わせるなり家内がいつにも増して元気に話し始めた。
やはり疲れを除去するのはいいことだ。
リンパドレナージュというのを受け、それが奇跡のように素晴らしかったという。
施術師はパクさん。
仰向けに寝た背にアロマオイルが塗られ、指を立てた両手をパクさんが這わせていく。
背の筋に潜む奥深い疲労もそれで一網打尽。
ああ、なんて幸せなのだろう。
引き続き、パクさんの温かな手が変幻自在にカラダを這った。
指が寝たり立ったり手を変え品を変えして各所の澱みが駆逐され、全身の各パーツが新品に取り替えられたように感じられた。
まさに蘇りのマッサージと言えた。
そんな話をしながら家内が瞬く間に夕飯の支度を整えた。
例のごとくタンパク質中心でそこに野菜が添えられた。
この日家内は昼に旧事務所近くの商店街へと赴いた。
その界隈は食材の充実度で群を抜く。
だからあれもこれもと買い込んで、肉も焼き、またしても息子らに送ったというから、どこまでやるねん、あっはっは、ほんとよくやるよそこまで、という話であった。
家内はバロークスを飲み、わたしはノンアル。
焼肉に続いて、鳥皮ポン酢が出て、締めは鯨の刺身。
立ち寄った魚屋の女将が、鯨は今が旬だと強く勧めてくれたという。
口にして驚いた。
なんて美味しいのだろう。
この女房がいるおかげ。
わたしたち男三人は、食の幸福を享受し続けることになる。