やれやれこの日も無事に終わった。
電車を降りると安堵感が胸にじんわり広がった。
家へと向かっていると、左手の道から知った顔が歩いてくるのが見え足を止めた。
家内だった。
どうやら同じ電車に乗っていたようである。
並んで歩く。
カリスマのヘッドスパを受けてきたとのことで、とろけているから今日はジムを休むと家内が言う。
だからわたし一人でクルマを走らせジムに向かった。
考えると腰が重くなる。
無思考のままハンドルを握った。
そしてこの日もいつものとおり。
泳いで快適。
要は水に浮かんでバタバタするだけの話であるから楽に決まっている。
それでカラダが整うから筋トレも心地いい。
音楽を聴きながら筋肉に負荷をかける。
生きる歓びの何たるかを体感できる時間と言えるだろう。
その後は風呂とマッサージチェアでカラダをいたわるだけ。
それに帰りもクルマであるから、楽ちんなことこの上ない。
終始一貫、苦はなく楽を享受できるのがジム通いなのだった。
おまけによき脳内物質が滴るほどに放出されて、なんだかよく分からないないほど幸せを感じることができる。
そういう意味でジムは恍惚を欲しいままにできニヤけた顔が更にニヤけるヤバいほどの魔窟と言えるかもしれない。
帰宅すると料理ができあがっていた。
タコの酢物がとても美味しい。
続いて、塩サバとサンマ。
旬の味を堪能し、松阪牛の焼肉と大山鷄のタタキで仕上げとなった。
タンパク質たっぷりの夕飯で、これでまた筋肉量が増加する。
息子らがいればこれ以上の分量を昼夜問わず家内はこしらえ続けたであろう。
家内がひと息つくことができたのであるから、息子らを東京にやったことは主産物はもとより多くの副産物をもたらしたと言えるだろう。
明日はエステに行くという。
人生のうちいちばんいい時間が五十代から始まる。
改めてそう実感した。