もっといろんな高校出身者と交流した方がいいのでは。
家内が二男にそう言った。
集まるメンバーが66期ばかりだと高校時代と変わらない。
せっかく東京に出たのだから、新しく出会った友だちともっと親睦を深めるべきだろう。
そう思ったのだった。
もちろん二男は、新しい友人らとの交流を深めている。
自ら積極的に話しかけ、仲良くなるのはお手のものであり、友人らもみな二男のことが好きになる。
だから輪は豊かに広がり実りある友情が数々芽生えている。
しかし、66期のメンバーは、その輪の内の内にいるようなものであるから仕方がない。
あまりに自然に集まって誰かがいつもそばにいる。
そういう意味で、心身の一部と言ってもいいくらいだろう。
わたしも同様。
先日はカネちゃんと会い、昨晩はタコちゃん。
この土曜も集まる面々のなか33期が3人も含まれて、今度飲みに行こうと話し実際そうなるのも33期。
五十を過ぎた父でさえそうなのだから、大阪星光を卒業して間のない息子が66期にまだどっぷりつかっていても無理はなく、おそらく彼が五十を過ぎても事情はさほど変わらぬだろう。
その頃、わたしは八十を超え、これまたおそらく変わらない。
息子に聞いたところ、ある66期は上京する際、宣言したという。
新しい世界に身を投じるのであるから、金輪際、星光生とは付き合わない。
それが三月で、しかしはや五月にその前言は見る影もなく、星光生は星光生といつだって引っ付くのだった。