テーブルを買い換えようと思い立ったのは昨年終盤、二男が友人を家に引き連れたときのことだった。
そのまま先延ばしとなって半年以上が経過した。
なにせ家で過ごすのは夫婦ふたり。
いまの大きさで十分事足りて、だから買い換えようとの気持ちは失せていた。
が、まもなく夏。
コロナ禍も収まり、二人の息子が友人らをうちの家へと招く気配が感じられる。
やはり大きなテーブルが欠かせない。
それでこの日、家内に連れられ本町を訪れた。
日曜の閑散としたビジネス街の所々に家具のショールームが点在している。
その幾つかを見て回った。
現物を目にするとイメージが膨らんだ。
やってくる友人らのためテーブルを買い換えようと思っていたが、夫婦して浮かぶ未来は同じで、大きなテーブルは新たな家族のためにこそ必要なものと言えた。
あと数年もすれば長男は誰かいい人と出会って所帯を持つであろうし、続いて二男もそうなるに違いない。
二つの家族が同時にやってくることを考えれば、やはりサイズは240が下限となる。
候補になり得る存在感たっぷりのテーブルが数点あった。
が、そこですぐに決めないのが家内のいいところだと言えるだろう。
以前、カーテンを選ぶ際にはじっくり一年もの歳月を費やした。
今度もまたそうなる。
夢が家内の本気に火をつけた。
こだわり抜いたテーブルがこの先永く家族を引き寄せ、うちの家のど真ん中に鎮座することになる。