連日飲んでジムがお留守になったので、この日はぜひとも運動が必要だった。
木曜は昼過ぎから雨との予報でジムも休みだったから、朝、武庫川へと走りに出た。
雨が迫っているから、朝の空気がより一層匂い立って清々しい。
そんななか走って快調。
走ることはなんて気持ちがいいのだろう。
朝一番だからか疲れを感じずいつまでも走っていられるのではと余裕綽々であった。
いま53歳である。
新聞に記載されるように、たとえば山田太郎(53)と、他人視点で自分の年齢を俯瞰すれば、結構年配の方だと思い込んでしまうが、いまわたしはその地点にあるのだった。
そして想像もしなかったことであったが、この歳に至ってわたしは自分自身の体力最強時代に入った。
言い換えれば、若い頃はカラダを錆びつかせていた、ということであるが何にせよ快調であることは喜ばしい。
家へと戻って支度を整え、職場に向かった。
元気ハツラツのまま内勤業務をこなし、あっという間に夕刻となった。
帰り道に夕飯を済ませ、もちろん、この日は飲む理由がないからノンアルで過ごした。
これもまた成長。
連日飲めば慣性の法則で、次の日もその次の日も飲む。
そんな体質だったのに、いまや飲まずに過ごして物足りなさを覚えない。
帰宅して風呂に入ってからまっすぐデスクに向かった。
静か書物に向き合って、窓外の雨音を聞く。
生きて在ることの喜びがじわじわと込み上がってくる。
酔ってばかりが能ではなく、こんな時間もまた素晴らしい。