KORANIKATARU

子らに語る時々日記

蓋を開ければただ生きて在るだけの自分

仕事であちこちへと足を運ぶ。

いつしかそこらに行きつけの店ができた。


このところ朝は自分で適当に作って済ませる。

だからあまり美味しくない。


その分いっそう昼食が楽しみになる。


この日は鴫野で以前訪れたラーメン屋を再訪した。

前回はこってりを頼んだが、リサーチ不足だった。


この店の売りはあっさりで、どこがあっさりやねんという濃厚で深みあるあっさりさで高い評価を不動なものにしているのだった。

実際、カウンターにずらりと並ぶ客の全員があっさりを頼んでいた。


いや、お一人例外がいた。

カレーラーメンという謎の一品を頼んでいたが、その選択もまたリサーチ不足を原因とするものなのではないだろうか。


食べてカラダに力が募りきた。

後半の仕事の燃料がたっぷり投入さて、わたしはいい感じで汗ばんだ。


快調に業務をこなして帰宅すると、この日、家内はお好み焼きをテイクアウトしていた。


家内がお好み焼きを買うなど滅多にないことだった。

まだ本調子ではないのだろう。


いずれにせよ広島焼きを織り交ぜて計4枚。

わたしの分まで含まれているのは明らかだった。


夕刻、わたしはひとりでジムへと向かい、たっぷり泳いで筋トレに励んだ。

カラダが内からポカポカと温まって、実に心地良い。


サウナで仕上げマッサージチェアに座ってもはや逸る気持ちを抑え難くなった。


お好み焼きが待っている。

だから帰りにコンビニで缶ビールと白州のハイボールを買って懐に忍ばせた。


日常において実は孤独で寡黙な忍従が続き、ただ食べることだけが楽しみ。

それが現在地点でのわたしという生命の実像と言えるだろう。


実際、日記に添える写真は食べ物ばかり。

それが一貫してわたしという存在のナラティブを構築する。


まるで検査キットで色濃く陽性反応が表出するみたい。

蓋を開けてみれば、わたしは至極あっさりとそのような者でしかなく、日々ますます明瞭にそのような度合いを深めているのだった。

2023年6月26日朝 素麺二束

2023年6月26日昼 鴫野 花京

2023年6月26日夜 テイクアウトした西宮北口カポの広島焼きとお好み焼き