もはや夏。
そんな強い日差しのもと歩き回ってクタクタになった。
とてもジムになど行けやしない。
そう思っていたが、夕刻、習慣のなせる業というものだろう、カラダがジムを欲した。
いつもどおりカラダを動かす喜びにひたって、マッサージチェアにて心の平和の何たるかを噛み締めていると、家内からメッセージが届いた。
夕飯は何か買ってきて、とのことだったので「はい」と返事し帰途西宮阪急へと寄った。
短パンにTシャツという軽装で手に一枚、阪急阪神お得意様カードだけを持って各店舗を渉猟しお買い得の品などいくつか買い求めた。
家に帰って互いノンアルで、いい買い物をしたと家内に褒められつつ食事を済ませ、食後わたしは自室に引き上げ新聞などを読んで過ごした。
新聞に飽いて二男に電話をかけ、期末試験はいつからかスケジュールを聞き、今度何を食べようかと話し電話を終えると長男から近況を知らせる電話がかかってきた。
ストレス発散には阪神戦がいちばんいい。
だからこれからどんどん球場に足を運んで応援するという。
そんな生まれもってのトラキチが感慨深げにポツリと言った。
いきなり入社三ヶ月で仕事はハードだけれど、ほんとうにいい人ばかりのいい会社に恵まれた。
とんでもないバックグラウンドの人が当たり前のようにいて、ものすごい経歴の超エリートがずらり居並び、あちこちにかつてスポーツ界を沸かせたレベルの歴戦のツワモノがごろごろしている。
スゲーと言うしかないそういったメンバーが日々明るく元気に粘り強く、人類の課題とでも言うべき大きなテーマに真正面からぶつかって、世界横断でビジネスを展開している。
長期的視野でそんな未来の種まきをしていこうとする壮観を目の当たりにして湧き出るのは、人間という存在への信頼感であり、自分もそこに連なっていこうという自然な闘志だった。
明日の昼は芦ラグのメンバー3人で集まって昼を食べるのだという。
みな歩いて5分の距離。
一人は近所の商社で働き、もう一人も近所にある損保最大手の会社で働いている。
芦屋中央公園でラグビーしていたちびっ子たちの図と大手町や丸の内で働く頼もしい青年たちの図がわたしのなかでにわかには繋がらない。
その合間に生じているものを言葉にするなら、感動という語がもっともふさわしい。