何も予定のない週末、女房に連れられ汽車を乗り継いだ。
名古屋から北上し駅を降り木曽川に沿って歩く。
川が県境になっていて向こう岸は岐阜県となる。
緑の濃度がそこらと異なって感じられ、川面を渡る風は薫り豊かで涼やかだった。
鵜飼する様子を水上に眺めしばらく歩くと小高い山の上に鎮座する国宝犬山城の姿が見えた。
現存する日本最古の天守を仰いで、わたしたちはまずはホテルにチェックインすることにした。
ホテルインディゴ犬山有楽苑は昨年オープンしたばかりとのことで何もかもが真新しく快適に感じられた。
部屋は51㎡の有楽苑スイートで眼前に犬山城の威厳ある姿を捉えることができた。
汽車に乗って僅か二時間ばかり。
カラダにこびりついた普段の時間感覚がここで刷新される。
そう感じる旅の出だしとなった。