最終日であるから早朝から始動した。
カーテンを開け外に目をやるとまだ雨が降り続いていた。
が、だからと言って引っ込んでいる訳にはいかなかった。
寸暇を惜しむようにさっさと身支度を整え階下へと降りフロントで傘を借りた。
タクシーに乗り込み、地元周辺にある食堂へと向かってもらった。
台湾の食事は世界でもっともヘルシーだと言われる。
朝食を食べるとその意味が体感できる。
豆腐や野菜が食材としてふんだんに使われ、素材を活かした味付けがカラダに優しく馴染んで、食べて美味しく食べ終えてカラダが軽い。
だから朝食をはしごしたあとで部屋に戻って、家内とともに真っ直ぐプールへと向かった。
雨上がりのルーフトッププールには監視員以外、人影はなかった。
腹ごしらえを終え、かつ前日のマッサージ効果もあって、自分でも驚くほどカラダがよく動いた。
雲間からときおり日が差し至るところ水面が輝き、ひんやりとした水のブルーが鮮やかさを増した。
また高層階に吹く亜熱帯の風には、台風一過だからだろうかどことなく秋めいた空気も紛れ込んでいた。
水面を境に双方の冷涼が接して、それに挟まれ泳ぐわたしはまさに絵に描いたような爽快そのものとなって、プールの世界に溶け込んだ。
やがて泳いで燃焼するより冷えがまさって、水面に浮かぶ氷といったイメージが浮かんだところで終了、小一時間でわたしは丘にあがったが、今日一日分の摂取カロリーは消費したであろうから後は食べるだけとなった。
部屋に戻ってシャワーを浴び、滞在最終日を完全燃焼させるため朝10時にはホテルをチェックアウトした。
雨はすっかりあがって傘はもはや不要だった。