テラスで波の音を聴いているうちに午前7時となった。
ウェブサイトにて一斉に朝食の予約受付が始まった。
パンケーキが食べたいと家内が言うのでわたしたちはシローを予約した。
10番目の席を確保でき、朝7時過ぎには朝食にありつけた。
ゆったりと旅先の朝を満喫し、沖縄だから海で泳ごうと食後、本部半島西側にあるゴリラチョップを目指した。
名護湾を左手に見ながらクルマで走り30分ほど。
沖縄屈指のサンゴ礁スポットというだけあって、海に入ってすぐサンゴが一面に広がり、素潜りするだけで色とりどりの魚を間近に見ることができた。
U型浮き輪を駆使して魚群探索をする女房が疲れ果てるのを待って丘へとあがったが、青空のもとキラキラと光をはねて美しい海で、捻挫した足をかばいつつ結局わたしは一時間も泳ぐことになった。
ここですでに正午を過ぎ時刻はまもなく午後1時になろうとしていた。
カニクラブサンドが食べたいと家内が言うのでホテルのハウス・ウィズアウト・ア・キーへと向かった。
助手席で家内が眠り、わたしもぼんやりしていたのだろう。
ハレクラニを通り過ぎて気づかず、しばらく進んだところに金月そばという店があってそこに行列があった。
そこで家内を起こし、意気投合して昼の二次会はここと即座に決まった。
Uターンしてホテルに戻り家内がカニクラブサンドとポキ丼を注文し二人で分けた。
そしてそのまま金月そばへと向かったのであったが、つけ麺も沖縄そばもことのほか美味しく、これもなにかのお導きとわたしたちの沖縄愛はよりいっそう深まった。
パラセーリングの予約が午後4時だったので部屋に戻って少し休憩してからクルマで喜瀬ビーチへ向かった。
バナナボートで沖へと出てそこで待つジェットボートに乗り換えた。
数組の客と一緒にさらに沖へと運ばれて、わたしは挙手して一番目の「飛行」を志願した。
高さ40m(建物で言えば10階以上だろう)、真下は輝ける沖縄の海で左隣りは長年連れ添った女房、そしてその向こうに遠く沖縄の地が見えた。
空中に浮かぶ家内がCGの映像のように見え、だから空中にあった15分は異世界体験というしかなく、怖さは一切なく女房と空でたった二人、海をわたる風に吹かれてその心地よさにひたった。
無事に岸へと帰還し、時刻はまもなく午後6時。
サンセットを見ようとホテルのオーシャンテラスプールへと移動した。
ガーデンチェアに横たわりシャンパンなど飲みながら時を待って、サンセットの頃合い二人でプールに入って夕陽にずっと目をやった。
時間が長く長く引きのばされて、こんな体験はなかなかできることではないから、はるばるここまでやってきてよかったと心底思った。
夕飯は沖縄料理と言えばここと筆頭にあがる名店「ちんぼーら」を予約してあった。
ホテルのコンシェルジュに手配してもらっていたタクシーがやってきて、喜瀬方面へと向かった。
陽気でよく喋って楽しい運転手の宮平さんが言った。
ちんぼーらという選択は大正解です。
人手不足だからか店員に外国人が目立ち、昨年息子たちと来たときよりメニューに載る料理数がかなり減っていた。
効率化を図るためメニューを厳選しているとのことであったが、やはり頼んだすべてがとても美味しく、沖縄を訪れたのだから沖縄料理も食べようとの目的は喜びをもって完遂されることになった。
午後9時、迎えのタクシーがやってきて、ハレクラニへと戻った。
そして部屋で飲むのはやはりあくまでオリオンビールなのだった。