朝の９時、二男が家に帰ってきた。
高円寺を朝５時に出てきたという。
この日、大阪星光66期の成人式が行われる。
ヒルトン大阪にて午後４時からの予定であるが前もって昼から友だちたちと集まり飲むことになっていた。
で、息子が現れ家内の出力はマックスとなった。
あらかじめ用意してあった食材を使って料理をこしらえ、食卓に座る二男に次々振る舞った。
滞在約１時間。
そろそろ行く、と言って二男が立ち上がった。
その動きに合わせ家内は食料を詰めた紙袋を二男に持たせ、玄関先で記念写真を撮り、そして夫婦で二男の背を見送った。
ちょっと顔を見せたといった程度の短い帰省であったが、帰って来たことに変わりなく、元気な息子の表情に触れれば親はいつだって感慨深い。
振り返れば遡ること８年前。
2015年に大阪星光に入学し、瞬く間に６年が過ぎ去った。
そして２年前。
2021年に大学に受かって上京した。
いま思えばそこで子育ての時間は終わったのだった。
それで夫婦であちこち出かけ食事したり旅行したりといったことができるようになったが、そこで交わされる会話の大半が息子らのことであり、子育ての思い出である。
つまり、巣立ったところで息子らがわたしたち夫婦の世界の中心であることに変わりなく、あっという間に過ぎ去った子育て期間は、夫婦二人だけのいつまでも褪せることのない、かけがえのない共通体験なのだった。
この日、息子は大阪星光の成人式に出てスーツ姿の友人らと会う。
中１当時は制服に着られているかのようなちびっ子たちだった。
それが、いっぱし男子となって集まる。
息子はそこで何か心強いものを感じることだろう。
そして、一次会終了後、彼らの男っぷりを目に焼きつけて東京へと戻る。
東京では引き続き忙しい日々が続くが、今回再会した66期の仲間の姿がよきスパイスとなることは間違いない。
星光に通う６年はすぐ過ぎ去るが、そこで得られた友情はこの先60年以上も引き続く。
