KORANIKATARU

子らに語る時々日記

その灯のなかに居続ける

小雨降る土曜早朝、二男は武庫川を走り、家内は昔みたいに料理づくりに勤しんだ。

息子がいるから上機嫌。

料理の合間、アラビックなダンスがコミカルに織り混ざり、それをみてわたしはコーヒーを吹き出しそうになった。

 

息子二人が東京で暮らすが、家内は毎月上京し、彼らもしばしば帰省する。

不在の間隔が以前よりやや長いだけで、一緒に暮らしているのも同然と言えるだろう。

 

今回の一時帰省の最終日、二男は大阪で部活仲間と過ごす。

夕飯の後は大阪星光の前で記念写真を撮るのが恒例。

そして二男は東京に帰る。

 

ほんの少し寂しい、そう家内は感じるだろうがまもなく7月。

また上京し、8月になれば彼らは帰省する。

やはりわたしたち家族はいつだって、ともにいるのだった。

 

離れ離れになるどころか、ますます一緒。

子らがひとり暮らしをすることで、その存在感がいや増しとなって、逆説的だが結束は更に強まった。

 

だから、離れて暮らしても誰一人ひとりではなく、まるで分身のような存在として互いを身近に感じる。

これをこそ人心地というのだろう。

 

コロナ禍が明ければ、また家族で遠出して、異国を巡ることも可能になる。

なによりそれが楽しみで、そんな楽しいことが実現するのだろうから人生は素晴らしい。

 

そして、そのうちメンバーが増える。

 

ある程度まで見届けた後、老いた我々にはいつか迎えがやって来るが、その「灯」のなかに居続けるのだと思えば、やはりこれもまた人心地。

寂しさはさほどでもないだろう。

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2021年6月19日 息子の朝食 フライパンピビンバ

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2021年6月19日昼 西宮