そこらのビュッフェとは訳が違った。
すべてにわたってレベルが高く、あれもこれも食べていいなか、何を選ぶか迷いに迷った。
雨がパラついていたので朝食後、部屋に戻ってゆっくり過ごした。
家内は部屋でくつろぎ映画「パラサイト」をみて、わたしは部屋で自重を用いての筋トレに時間をかけた。
昼になって虎ノ門ヒルズ4階のレストランフロアをぶらついた。
先日訪れた池尻大橋の「リアン」が出店していて店主の顔が見えたので家内が話しかけた。
池尻の店をいま閉めてここに注力しているとのことだった。
たいへんな意気込みである。
わたしたちは大阪の名店「もう利」にて昼食をとることにした。
料理が洗練されて素晴らしく、何よりお客さん目線のおもてなしの心に満ち溢れ、最上の居心地だった。
先日の事務所新年会は大阪福島の「もう利」やその系列の「魚坐(さかなざ)」にすべきであったと悔いた。
そうすれば忘年会に選んだ「洋食Matsushita」と相俟って完璧なチョイスになっていただろう。
食後、隣のビルへとわたり歩いた。
数々の飲食店がひしめく虎ノ門横丁では閑古鳥が鳴いていた。
こういった商業施設の賑わいはできた当初だけの一過性のものなのかもしれない。
集客の光と陰にわたしたちはおののいた。
1階のショップで息子と韓国の妹分への土産を買ってホテルへと戻り、ジムでわたしは走り家内はバイクを漕いだ。
夕刻、麻布台ヒルズへと歩いて向かった。
雨模様だったので念のためホテルで傘を借りた。
タワープラザの3階には聞こえ高い名店ばかりが入っていた。
先日のクリスマスに青山で食事した「希須林(きすりん)」も入っていた。
わたしたちはこの日「鮨麻布」を予約していた。
本格的な江戸前寿司を堪能し、職人さんとの会話を楽しんだ。
話を通じ、大阪の「鮨三心」に職人さんらがかなり注目していると分かって、店がうちの事務所の近所であるからわたしたちは嬉しくなった。
四方八方からビル灯りが降り注いでいた。
そんな光に照らされた夜道を歩いてホテルへと戻った。
部屋が二次会の場となった。
昼に買ってあったワインを開けグラスを傾けながら、映画「オリエント急行殺人事件」をみた。
今度はヨーロッパを旅しよう。
夫婦で夢を語り合った。