3時開店の店で昼食をとる。
だから朝はいっぱい食べておこう。
通常、ビュッフェでは慎ましく過ごす。
しかし家内がそう言うから解き放たれた。
二人がかりであればどうにかなる。
そう考え、前日頼んだものを除きメインどころを全種頼んだ。
思った以上の難行となった。
お腹がパンパンになったから、食後にジム活が不可欠になった。
雨にけぶる東京タワーを眺めつつ、トレッドミルの傾斜を走りカロリー消費に精魂を傾けた。
草臥れ果てたのでぎりぎりの時間まで部屋で休んでからチェックアウトした。
地下鉄で東京駅へと向かい、幸い中央口のロッカーに空いた箇所が見つかって無事荷物を預けることができた。
あとは手ぶらで家内の買い物に付き従うだけとなった。
すっかり雨はあがり、ところどころ青空が見え始めていた。
銀座や日本橋の街路を歩きに歩いた。
結局この3日間を通じ、各日とも歩数は2万歩に及ぶことになった。
用事をすべて終え、少し遅れますと電話を入れてから「昼食」の店へと向かった。
到着したとき時刻は午後4時を過ぎていた。
中途半端な時間であったが、やはり人気店なのだろう、席は満杯に近かった。
店員さんのすすめに従って料理を頼み、飲み物はシャンパンから始めた。
家内が買った品のうちひとつを開封した。
以前、コッタボスでも食事の席で買った品を開けたことがあり、その思い出に夫婦でふけった。
サービスが行き届いていて、女子店員がおりおりワインの好みを聞いてくれた。
そのおすすめの言葉のなか「めっちゃ」という関西弁を聞き取って家内が聞いた。
なるほど、出身は神戸でここで勤める前は苦楽園で働いていたという。
苦楽園のどの店?と続けて家内が聞くと、コッタボスというからわたしたちは驚いた。
女子店員に一気に親しみがわいた。
コッタボス同様、この店もワインがおいしく料理が素晴らしい。
そう言うと、「めっちゃ、おいしいでしょ」と女子店員は嬉しそうに笑った。
彼女によれば、いまコッタボスも店主が料理を切り盛りし天然素材にこだわって味を進化させ続けているとのことだった。
今度またコッタボスを訪れよう。
銀座の地にて夫婦でそう決めた。
店主と女子店員に見送られ店を後にした。
通りで信号待ちしていたタクシーに乗り込んで、マンダリンオリエンタルのグルメショップへと寄ってもらいそこで車中の食べ物を調達した。
それをあてに車中で二次会にするつもりでだった。
が、結局家内は手のひらを返した。
今日は食べ過ぎ。
家内がそう言うから買い求めた食材を賞味するのは明日以降へとお預けになった。