休息が必要だった。
湖でも眺めてのんびり過ごそう。
そう思って、家内を伴いクルマを走らせた。
高速を降りまずは道の駅で米や果物や野菜などを調達し、昼は道中にある肉屋に寄った。
ああ、近江牛のユッケが実においしい。
家内はそれを焼くという暴挙に出た。
フレッシュなまま食べるからこその旨味が台無し。
勿体ない。
クラブハリエでケーキを買ってまもなく。
湖に面して建つホテルに到着した。
お茶休憩もほどほどにわたしは階下のプールへと向かった。
そこで悠々たっぷり60分間泳いだ。
そしてサウナと水風呂に交互に入り温泉につかって最後は、あたたかな雨に打たれるがごとくシャワーのしぶきのなか心地よい無思考にひたった。
そんなプロセスを経て実に清涼な爽快感と安らぎが訪れた。
身中に居座っていた夾雑物のすべてが燃やされ排出されたのだった。
これが今回の小旅行の目的。
部屋でくつろぎ、夜は最上階にあるレストランで家内とお酒を酌み交わした。
窓の向こうに目をやっても、漆黒に塗りつぶされて湖は視認できなかった。
が、部屋から望んだ湖は一面にわたって深みある青をたたえ、その見目麗しい姿が瞼にありありと焼き付いていた。