日生頭島から牡蠣が届いた。
家内とキッチンにて並び立ち、鍋に蓋をし牡蠣を蒸していった。
殻の開いたものから取り出し、レモンをかけタバスコをふり、順々に頬張った。
濃厚で実においしい。
牡蠣ほどものによって味に差のある品はないだろう。
次は元旦に取り寄せよう。
家内はそう心に決めた。
即席の牡蠣小屋となったキッチンで美味に顔をほころばせながら家内は言った。
ああ息子たちに食べさせてあげたい。
おいしい牡蠣には白ワインが合う。
が、週の出だしの月曜であるから二人して手に取ったのはノンアルだった。
どんどこ牡蠣を食べていったが、箱一杯の牡蠣は相当な分量で二人でとても食べ切れるものではなかった。
では、と家内が思いついた。
残りはすべてカキオコにしよう。
結局こうして家内の願望は成就への道を最短経路で突っ走ることになるのだった。