ストライクゾーン、といつも自分に言い聞かせる。
すべきことを一時に同時並列で思い浮かべると気が塞ぎ息が詰まる。
時間的なストライクゾーンをイメージし、内外角高低と緩急つけて投げ分けていく。
一度に一球ずつしか投げられないが、とにかく投げ続ければストライクゾーンの余白が生じ時間と球数の調和が生まれ、呼吸が楽になってくる。
野次が来ようが痛打を浴びようが淡々とその秩序のもと無表情で投げ続ける。誰かの顔色窺って意識してしまうとストライクゾーンが狭くなり自分を追い込んでしまうので本末転倒だ。
投げることにだけ集中し必ず投げ抜く。
マウンドで言い訳などする暇も余力もない。
必要ならばイニング終わってから説明すればいいだけのことである。
つべこべ考えず、一球一球投げ続ける。