KORANIKATARU

子らに語る時々日記

中年ざかり、最大の関心を注ぐべきことは。

朝7時に目覚めた。
ゆっくり眠った。
日頃こんな遅い時間まで寝ていることなどない。

日記は既に書いてある。
誰に強いられた訳でもないが、用を足すついでに夜中にちょちょいと仕上げた。

自らに課す任務が何もない日曜の朝。
カーテンを開けると街は光に満ちている。

上空を高く流れる雲が、自由という字を象って輝いているかのように見える。

何をするのも自由気まま。
手付かずまっさならな一日が始まる。

心ウキウキ、さっと着替えて外へ飛び出す。
試運転するみたいにゆっくりゆっくりと走る。

休日の朝、街は静まり返っている。
閑静な街並みに心も融け合う。
この平穏がどこまでも心地いい。

ほどなくして武庫川が見えてくる。
川べりへと降り、流れに沿って南へと走る。

土と草の感触がいい。
匂いもいいし、足とほどよく調和するような踏み心地が何とも言えない。

アスファルトを走るより断然いい。
足の運びが軽くなる。

雲間を縫って朝の陽光が川面を照らす。
その光のなかを野鳥が舞う。

空は広く川幅も広い。
目を遮蔽するものが何もない。
視界が広く先の先まで見渡せて、心伸びやか、この開放感もたまらない。

そして朝の空気は清々しい。
適度に冷えた清涼感が青空とよくマッチし休日気分にとてもいい具合に馴染む。

鼓動と呼吸のリズムが一定し、飛行機が上空で高度保つようにハイな陶酔感に浸り続ける時間が続く。

走ることは素晴らしく、いい場所で走れば更に素晴らしい。
良き時間を過ごすこと。
中年盛りとなった今、最大の関心を注ぐべきは何か、それに気付けたような時間であった。

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