西九条でいったん降りる。
土曜午後、USJ帰りの行楽客でホームはごった返している。
春の陽光が降り注ぎ、朝方の肌寒さがずいぶんと和らいでいる。
しばし待つ。
大和路快速がやってきた。
四人掛けのボックス席に座る。
買ったばかりの週刊誌に目を通す。
東大や京大の合格者数が多い順に並んでいる。
それら学校名を漫然と眺める。
浪人での合格者数を含むとなると複数学年の実績ということであるから重複カウントのようなものでありイメージが掴みにくい。
ひとつの学年のうち何人が通ったのか、その一断面を見る方が層の厚みを知るうえでは適切であろう。
現役合格者数を見ていて、切り口となる基準のようなものが浮かび上がってきた。
30人。
東大でも京大でも現役で30人というラインが一つの大きな壁であると分かる。
その無理目の数字に到達している学校は数えるほどしかない。
東大も京大もそれぞれ現役で30人以上、あるいは両校通じて現役で60人を超える学校は、ごく僅か。
他と比較して一目瞭然。
凄まじいほどに抜きん出た実績であると言える。
ただただ数字が並んでいるのをぼんやり見るのではなく、区切ってみる。
そうすることで大括りなランク分けがなされて、表がにわかに読みやすくなる。
野球で言うところの3割30本30盗塁ではないけれど、東大や京大や医学部など、どれかで現役30を超えることは凄いことであり、もし二つで30超えれば更に凄く、三つとも30超えるとしたら、これはもうとてつもなく凄いということになる。
そのように見てくると、例えば野球で言うところの2割9分の打者も結構やるではないかと言えるように現役で30人に近い数字が出ていれば、それもまたなかなかいい線行っているではないかというように基準値に基づいて評価がしやすくなってくる。
そうこうしている間に電車は王寺駅に到着した。
ここで乗り換え私は池部駅へと向かわねばならなかった。