KORANIKATARU

子らに語る時々日記

1ミリだけ粘る

わたしなんかきっとましな方なのだろうとは思う。

仕事の負荷はさほどではなく窮屈な人間関係に気患いすることもない。

 

だから過去に生徒であったときより勤め人であったときより、いまが一番過ごしやすくて呼吸も楽。

 

が、たまには難局にもみくちゃにされることもある。

 

ロッキーは言った。

人生ほど重いパンチはない。

 

わたしもたまにはパンチを食らう。

難儀なことだが仕方ない。

 

なんであれ巡り合わせ。

これで帳尻が合うなら御の字と思うしかない。

 

難局に立たされるのであるから楽ではないが、人の視点は伸縮自在。

頭上遙か高くから見れば、在るのか無いのか分からぬ芥子粒のようなものであり、早送りした時間の先の先から振り返れば削除された記憶も同然。

 

つまり、パンチは重いがそれほどのもんでもない。

 

繰り出されるパンチの風貌をためつすがめつしながら、まあ、のらりくらり粘っていれば、いつのまにやら事は過ぎ去る。

 

もし万一、そのとき過ぎ去らなくても、どのみち過ぎ去るのであるから、長短あってもいっときのこと。

 

やる気や気合といった加勢は不要。

ちょっとばかし、ほんのちょっと粘るだけ。

 

ずっとは無理だが、1ミリ粘るだけなら何とかなるかもしれない。

そんな風に心がければ、思ったより早く景色は一変するようである。