仕事を頼み始めて今月でちょうど15年。
今後ともよろしく。
そんなメッセージを事業主さんからもらった。
記憶は曖昧。
漠然と思う長い歳月が15年という数量にうまく結びつかない。
15年前と言えば、うちの長男が幼稚園に入ったばかりの頃である。
思い返せば思い返すほど、一言にするには無理のある時間の分厚さと言えた。
近所の神社がスタート地点で長男はそこから徒歩で通園した。
先生に引率され各所で園児が合流し列を作る。
結構な距離であり、彼は和を乱すやんちゃ坊主。
とてもではないが、たどり着かない。
そう夫婦で心配したが、すぐに馴染んで列のにぎやかしとして彼は活躍するようになった。
楽しく幼稚園に通い、友だちもでき、やんちゃ坊主伝説を幾つも残す園児生活を見守る一方、わたしはまだ駆け出し同然。
慣れぬ業務で四苦八苦していた。
通園を心配するレベルとは比べ物にならない。
心浮かぬ難局を幾つもくぐり抜け、子らは子らで難度増す戦いに怯むことなく立ち向かい続け、家内は終始一貫して男衆のサポートを欠かさなかった。
そして気づけば何事もなかったようにいまこの地点にいる。
事業主さんから15年という声かけがなければ振り返ることもなかった。
積み重ねたきた一歩一歩に気が遠くなるほうな思いとなって、ただただ感謝の念が深まっていく。
皆のおかげ。
なんとか無事、家族揃って生きている。
今後ともよろしくとわたしの方こそ言わねばならない。