KORANIKATARU

子らに語る時々日記

各自しっくりくる場所に引き寄せられていく

武蔵小杉に居を定めたのは偶然の成り行きだった。

たいへん住み心地よく近隣の仲間にも恵まれ、ずっとここでいいという考えに長男は傾いていたようだった。


せっかく東京に住んでキャンパスも変わる。

そんな機会を捉えて他の土地も見た方がいいのでは。

父としてそう提案し、なるほどと長男もその気になった。


丸二年住んでこの日、武蔵小杉を後にした。

友人らが引越しを手伝ってくれた。


東京に住んでこの春で三年目。

新しい暮らしが下北沢で始まることになる。


二男については長男とは別のところ。

進学先がどこであれ学生時代の前後半で住む場所を変える前提で居所を選定する。


どんな成り行きが待っているのか。

不思議なほどしっくりくる場所に引き寄せられるに違いなく、その出合いが今から楽しみに思える。


息子がその街にいる。

そう思うだけで愛着を覚える。


何度も寄ることになるだろうから慣れ親しんで、第二、第三の故郷みたいになっていく。


これからちょくちょく、家内については頻繁に上京する機会が増えるだろう。

息子らがいざなう形で親の世界もまた広がっていく。

子があることの恩恵はやはり絶大と言える。

 

主導権が子に移っていくという形で子育てがまもなく終わる。

大きな節目となる春がもう目の前に迫った。

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2021年3月5日 さよなら武蔵小杉