KORANIKATARU

子らに語る時々日記

息子が時の流れを形成していた

寂しいはずはない。

頭でそう思っているだけで、内にわき出て影を落とす心情は、寂しさ以外の何物でもないだろう。

 

息子が卒業旅行に出かけて4日目。

 

食事を作る必要はなく早起きも不要。

一気に家事から解放されて自由を満喫。

鼻歌でも漏れ出るくらいに楽しいはずが、元気が出ない。

 

自身の顔を直接見ることができないように、どうやら自身の胸の内も直に覗き見ることはできないようだ。

 

頭と心に表れ出る反応が別々。

用事はなくて楽だが、しんとした空気が心もとない。

その別々が合成されて生まれるのは、困惑に他ならなかった。

 

家内にとって息子が時の流れを形成していた。

 

息子が起きる時間、食事する時間、帰ってくる時間。

それらが目鼻口といったように一日の表情を形成していた。

 

だから息子が不在になると、時はたちまちのっぺらぼうに変貌し、それを映して心は空っぽ、空虚が巣食う。

 

鼻歌など出るはずもないだろう。

 

が、何事も慣れ。

しばらくの移行期を経て、そのうち次の秩序が姿を現す。

そのとき、更に強く逞しくなった元気が家内の元に戻ってくる。

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2021年3月中旬を駆け抜けた朝飯昼飯

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2021年3月25日夜 立花正宗屋

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昔の写真