KORANIKATARU

子らに語る時々日記

自信満々で決勝リーグを迎える

予選を一位で通過する必要はなく、ましてそこで華々しい活躍が求められる訳でもない。

決勝リーグにコマを進めることがでれきばそれで順風満帆と言っていいのではないだろうか。


つまり、いま対峙する相手に圧勝することなど全く不要。

僅差の勝利かドローで凌げば御の字ということになる。


しかし、親がぶれるとその振幅は子において大きくなる。

自我がようやく芽生え始める頃、子にとって周囲の声の風力は思いのほか大きい。


一緒になって親が煽っていては話にならず、視線はその先もっと遠く先に保ち、子らの風よけの役目を果たさねばならないだろう。


うちの子らが中学受験に取り組んでいた頃、顔を出しては「うちは灘、うちは灘」と繰り返すお受験ママがいた。


灘などうちには関係のない話であった。

が、そんな無思慮な言葉であっても子の耳に入るから、子らは子らで思うところがあったに違いない。


想像するに、僅かであれ「あてこすり」のような響きをもって幼心に突き刺さったのではないだろうか。


息子らが灘ではない中学に進んだ後もそのお受験ママは姿を現しては「うちは灘、うちは灘」と連呼した。

だから西大和に通う長男も大阪星光に通う二男も多少であれ自らを哀れに感じたかもしれなかった。


このように村社会でなくても不意打ちのように太刀打ちし難い優劣の基準が降ってくる。

幼心は苦笑する他なく、ほんの少しだけ傷つくということになる。


かといって、親が門番のように子の傍らにずっと張り付くという訳にはいかない。

だから、無用な劣等感の種を撒かれればそのたび手間をかけ除去解毒するということになる。


もちろん金星には大きな意味がある。

それを認めたうえで、普通の白星にも十分価値があると知っておいた方がいい。


執心のあまり白が黒だとの錯誤をこじらせてしまうと予選突破できたとしても先々覚束ない。


だから子らには事あるごとに言ってきた。


男は35歳からが本番。

雌雄を決する総力戦がはじまって、そこで全てが問われる。


だから大事なのは飄々と予選を切り抜け意気揚々とそのスタートラインに立つことで、本気はそのときまで取っておけばいい。


結局、そのお受験ママの子は灘とはまったく無縁であったから思えば傍迷惑な話でしかなかった。

 

が、過ぎたこととは言え留意しておかねばならないだろう。

一事が万事、そのように誰かの劣等感を刺激して愉悦にひたって自尊心を保つ人がいる。


そんな悪巧みに焚き付けられても得られるものはなく失うばかりで、下手すれば自信をも奪われ負け犬根性に染まってしまうということが起こり得る。


それなら根拠なくとも自信に満ちあふれている方がはるかにマシだろう。


先行きは長く、はるかに長い。


力八分加減で白星重ね、予選を切り抜け余力十分。

自信満々で決勝リーグを迎えるのがやはり最良の戦略と言えるだろう。

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2021年9月9日 朝食

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2021年9月8,9日昼 谷六 一味禅 スペシャル天丼・牛ステーキ丼