KORANIKATARU

子らに語る時々日記

無為が有為に置き換わった

大阪南部にクルマで向かった。

片道で二時間かかるから、移動だけで半日が過ぎる。

 

昔は頻繁にこんな「遠足」の機会があってそれを楽しんだ。

いまは予定をやりくりし、何とか合間を縫ってという話になる。

 

電車でなら多少なり仕事ができるが、クルマの場合、ほぼすべての時間をぼんやり過ごすことになる。

 

だから長男から電話があって、無為が有為となって救われた。

彼がもたらす多様な話題が車内を彩って、あっという間に一時間が過ぎた。

話して楽しく、話し終えた後も楽しい余韻が引き続いたから、ほぼすべてが有為な時間に置き換わったたようなものであった。

 

帰宅し、いつものとおり家内と食卓を囲んだ。

 

息子の成長ぶりについて家内に説明する際、わたしは映画『マトリックス』を喩えで使った。

 

主人公ネオが覚醒し、その動きが見違える。

それと同じ。

 

そう言ったところで家内が立ち上がり、映画のシーンさながらネオの動きを真似た。

そしてその動きがだんだん速くなり、随所にコミカルな仕草も混ざるから、やがてネオから乖離して、何か特殊なダンスのようなものとなった。

 

長男が話し、家内が踊る。

うちの暮らしに無為のつけ込む余地はない。

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2022年4月5日夕飯 チキンとサーモン