KORANIKATARU

子らに語る時々日記

その重みこそが価値

休日のアクタを歩くと大勢の若いお母さんとすれ違う。

かつて家内もここにあるアカチャンホンポに足繁く通ったから懐かしい。

 

着飾って優雅に遊ぶといった雰囲気からはほど遠く、どの母親も必死のパッチといった風に見える。

自らを振り返ってもそりゃそうだろうと家内は思う。

 

何はさておき子の世話が最優先だった。

だから身なりに構う余裕などあるはずがなく、着るものは作業着としても機能的で経済的なユニクロが中心となった。

 

しかし、そんな必死のパッチを茶化されたり、高みから見下ろすような視線を感じると、少しばかりは惨めになって、すべてを子育てに捧げなければならない我が身を憐れむような気持ちになることもあった。

 

が、やんちゃであってもやはりかわいい。

ネガティブな気持ちが生じたとしても、我が子がきれいさっぱり払拭してくれた。

 

子育てを終えたいま、そんな若い母親らを目にすると、かつての自分自身を思い出し共感を覚えエールを送りたくなる。

 

やれることはすべてやり切った、と家内は思うから子育てにおいて後悔はない。

もちろん、もっと一緒に旅行に行きたかった、もっと一緒においしいものを食べたかったという気持ちがないことはない。

 

しかしそんなことを言い出せばキリがなく、過去の穴埋めが果たせるように未来の時間が用意されているのだと思えば、楽しみをとっておいたようなものでありその方がむしろ機が熟して喜びが倍加するといったものだろう。

 

結局のところ、子育ての時間は瞬く間に過ぎ去った。

たいへんだったけれど、よい思い出が山ほど胸のうちに残り、そしてその甲斐あって子どもたちの充実したいま現在がある。

 

なりふり構わぬ子育てを若いうちにやり終えて、そしてこの先の方がはるかに長い。

自由を満喫しつつ、折々、息子たちにあてて料理を送り、また折をみて息子らのもとへ遊びに出かける。

 

あの子育ての期間があったからこそ、いまのこの平穏がずしり重みを増してかけがえのないものだと感じられる。

その重みこそが価値なのだと、過去を振り返って家内はしみじみと思った。

2023年6月28日昼 イオンモール伊丹 肉のヤマキ

2023年6月28日夕刻 野田阪神 志な乃亭にて雨宿り

2023年6月28日 渥美半島からサニーショコラが20本届いて息子たちへ食料発送