このところ家内が足繁く通うカフェがある。
本格的な焙煎を施されるコーヒーには手間暇がかかっていて、そこで出されるケーキ類もすべて手作りで普通のカフェで出されるものとは「レベチ」。
同じビルの2階にある美容皮膚科の先生が経営者であり、そのこだわりが細部にまで反映されている。
ケーキなどは人気料理教室を主宰する芦ラグママの手によるものだという。
家内が持って帰ってきてくれたコーヒーを飲みつつそんな話を聞いた先日の午後のこと。
家内は豊中市内の料理教室へと足を運んだ。
子育てが終わって、いま家内は自由な時間を大いに満喫している。
趣味と実益を兼ね、その自由の用途として料理教室は家内にとって格好のアクティビティと言えるだろう。
当然、そこで友だちも作る。
その日もいろいろな話で盛り上がった。
芦ラグママが主宰する料理教室に通っているという二人の若いママがいた。
聞けば、その料理教室は芦ラグママの同窓会の場といった趣きで、ママらがラグビーの話などもしながら料理づくりに励んでいるとのことだった。
それで芦屋ラグビーの話になって、若いママらは家内に聞いた。
芦屋ラグビーがいいよと誘われるが、実際どうなのでしょう。
家内は思うところをいろいろ述べた。
通わせてよかった。
カラダが強くなって、根性がついた。
思いつくまま家内は話した。
チームを離れたあと交流は消え疎遠になったがこのほど就職活動を通じ長男は何人かと再会を果たし連絡を取り合うようになった。
そういう繋がりも貴重だと思う。
そのように「よかった点」について頭を巡らせているうち、家内ははたと思い当たった。
それがもっとも大きな収穫であったと言えるかもしれない。
なぜいままで気づかなかったのだろう。
家内は言った。
あと、家族の結束が強くなりますよ。
まるで教会に通うみたいに規則正しく欠かさず、毎週日曜日、家族でグラウンドに向かい、そこで息子たちを注視し声援を送った。
そしてそこには大勢の良い方々がいて、真剣に楽しく家族ぐるみでラグビーに取り組んでいた。
その姿は家族の在り方のお手本にもなった。
毎週日曜クルマで送迎し試合があれば遠方まで足を伸ばした。
練習後や試合後は一緒にラーメンなど食べ、それがやたらと美味しく感じられた。
ダラダラと過ごすのではなく戦った。
そんな時間を通じ、家族の結束がじわじわと強固なものになっていった。
月曜、木曜、金曜とノンアルで過ごしたから今週も平日は勝ち越しとなった。
だから土曜はジムの後、家内とともに手巻き寿司を食べつつ一緒にワインを飲んだ。
そんな夕飯の時間、家内の気付きについて話を聞かされ目から鱗が落ちた。
いまこの家族がこのようにして在るのは、芦屋ラグビーのおかげ。
なければもっとバラけた家族だったかもしれない。
わたし自身もそんな気付き方をしたのははじめてのことだった。