週末、ジム以外に出かける用事がなかったので、ひさびさ部屋にこもってドラマに見入った。
以前、家内の妹分がすすめてくれたのがきっかけで見始め第15話までたどり着き、そのままになっていたドラマだった。
第1話から素晴らしい内容で、すべて細部が心に沁みるかなりの出来栄えのドラマであったが、なにせ忙しく、続きを見ようと心に残りつつもいつしか途切れてしまっていたのだった。
相当な時間が空いたがこの土日で結局わたしは『わたしたちのブルース』を最終の第20話まで一気に見ることになった。
第16話からわたしは泣き通しだった。
ちょっとした場面においてもそこで掬い取られるのは人の愛情で、その忘れてしまった愛情すべてに心当たりがあって、それが切なく愛おしいから泣けて泣けて涙が止まらない。
涙目になって、ああ、わたしたちはいつかそんな心優しい世界で暮らせるようになるのだろうかとドラマの世界に憧れのようなものを感じつつ、しかしその一方、そんな絵空事を真に受けるなどナイーブに過ぎるのではと自身を諌め、その両極端を行きつ戻りつしつつも強く心に迫るのはやはり前者の心情で、だから結局、とめどなく涙が流れるのだった。
尻上がりに涙量が増え、第20話にいたっては号泣となって嗚咽した。
それくらい泣けて、いま思い出しても泣けてくる。
そんなドラマはこれまでなかった。
秋が到来しつつあっても、まだ蒸し暑さの残る季節である。
愛情だのなんだのと言って泣くなどウェットに過ぎて、話を聞くだけで鬱陶しい。
そう感じるような人も少なくないだろうが、しかし、そんな人にこそ、これこれ、これが人だよとぜひ見てもらいたいと思えるドラマなのである。
幸い、33期。
郷里を同じくするわたしたちには、このようであるための下地がすでに整っているはずであるから泣けること請け合い。
ドラマで心を隅々まで洗って次の飲み会に備えようではないか。