KORANIKATARU

子らに語る時々日記

金木犀が昔の記憶の封を開けた

朝、駅へと向かう道中、どこかから金木犀の香りが漂ってきた。

秋の到来を実感しつつ、その昔、自営業となることを決めた日のことを思い出した。


二十年ほども遡る、今日と似たような秋の陽気の午前、芦屋の通りを歩いていて、突如とても清々とした思いでわたしは自営の者となることを明確に決めた。


子らは小さく暮らしは楽ではなかったが家内はまったく反対しなかった。


そもそも結婚するとき家内はわたしに収入や貯金について聞きもしなかったし、今もそう。


子どものことになると心配性な家内であるが、わたしたちのことについてはおおらかな楽観性を備えているのだろう。


自営業となった当初は大変だったが息子二人がかわいく、なんだって平気のへの字でやり過ごすことができた。


そして占いの坪谷さんが言ったとおり順調に推移し、なんとかここまで漕ぎ着けた。


そう言えば、坪谷さんは「奥さんはあなたのことを自慢に思っている」ってなことも言っていたが、いまや息子二人が立派に育ってわたしの存在など消し飛んだ。


息子二人が命より大事。

それは夫婦共通で、彼らが子グマちゃん風情であった頃から一貫して変わらない。


そしてうまくしたものでその息子二人が似ていてかつ異なるタイプで今後互いを補完し助け合っていくことが目に見える。


長男がフォワードだとすれば二男がバックスで、長男を弁慶に例えるなら二男が牛若丸ということでしっくりくる。


今後も金木犀の香りに気づくたび、突如昔のことを思い出し、現在進行形で成長の道をぶっちぎる最も大切な存在について過去も含めて丸ごと全部を再認識することになるのだろう。


またそろそろ家内を伴い二人に会うため上京しよう。

そう思うと秋の喜びがより一層深まった。

2023年10月17日昼 岸辺 庄平うどん

2023年10月17日夜 ジム後 西宮北口 天神大ホール

2023年10月17日 息子に向け食料発送