KORANIKATARU

子らに語る時々日記

最後の最後、わたしたちは一つになった

韓牛を堪能し終えた日曜の午後。
ソウルでの残り時間をカフェ活して過ごすという家内たちと別れ、わたしはひとりで明洞の街をぶらついた。


思い出に何か食べようと思いつつも、しかし適当な店が定まらない。
皆でテーブルを囲んで食べるような料理ばかりであり、ピンだとどこも敷居が高いと感じられた。


それで屋内へと引きこもるみたいにロッテ百貨店地下食を回遊し、回転寿司の店が大盛況だったから、モノは試しとその一角に腰を下ろしたのだった。


日頃からほんとうに美味しい寿司ばかりにわたしは接している。
異物感の拭えない寿司もどきを口にし心底わたしはそう痛感した。


で口直しにと、フードコートの別の店で冷麺を食べたのであったが、なんだか不自然に甘く、芸のないその甘さに違和感を覚えた。


やはり街という大海原に出てそこでしのぎ削る店を選ばないとろくでもない結果になるのだった。


夕刻、家内と合流して空港行きのリムジンバスに乗り込み窓外で見送る妹分にわたしたちは手を振った。


仁川空港にて免税品を無事受け取り、それでほっと安心したのだろう。
搭乗するまでに何か食べておこうと家内が言うから、わたしは(文字通り)何食わぬ顔をして4階のグルメコーナーへと付き従った。


わたしは韓国定番のスープ定食、家内はエスニック風のヌードルを選んだ。


ビールで乾杯し互い味見して、辛くてホットなヌードルを熱々でホットな韓国スープに入れて食べるとめちゃくちゃ美味いということに気づき、結局わたしたちは「ひとつの飯」を二人で分け合うように交互にかき込んだのだった。


そうして気づけば出発時刻が間際に迫り、わたしたちは汗をふきふき大いに焦って搭乗ゲートへと駆け込んだ。

2024年4月21日午後 ソウル ロッテ百貨店地下食の回転寿司 ちょっと無理

2024年4月21日午後 ソウル ロッテ百貨店地下食の冷麺