KORANIKATARU

子らに語る時々日記

夜の屋外、話は鮮やか色彩帯びた

リクエストがあったので野田阪神のビッグビーンズに寄ってプロシュートとチーズを数種選んだ。
子ども用には川繁のうなぎ。
これで日曜夕飯の食材は整った。

 

家に帰るとベランダで家内が肉を焼いていた。
そのままの流れで、ベランダで食事することになった。


鉄板を挟んで向かい合い、アウトドアチェアに腰をおろした。

 

この日は家内にとって節目の日。
これまでの努力に賛辞送りたいような気持ちであった。

赤ワインを開け乾杯した。

 

雲が厚く切れ間なく星は見えないが、風がほどよく流れて気持ちがいい。

 

焼き上がった肉を家内が皿に載せてくれる。
室内で食べるより肉が美味しい。
不思議なことである。

 

日曜夕刻、初秋の風に吹かれ夫婦ふたりでワインを飲めば話題は自ずと思い出の域へと分け入っていく。

 

二人の息子はエピソードに事欠かない。
話題は無尽蔵。

生まれたときから幼稚園、小学生を経て中学生そして高校生といった風に時系列でたどってそこに家族旅行の話が折り混ざる。

 

時代時代の子らの横顔がずらり一列に並んで数々の場面が眼前で再生されていくかのよう。

それはまたわたしたち夫婦の歴史そのものと言えた。

 

年を追うごとに子らの活動量が膨れ上がるので、その分、横顔の数は急増していった。
思い出に耽るだけでいくら時間があっても足りなかった。

 

日頃する会話よりはるかに色彩豊かで壮観。
夜の屋外だからだろうか。

話は光を帯びて一層伸びやかなものとなっていった。

 

家にそんな場所があったことがとても新鮮に感じられた。