KORANIKATARU

子らに語る時々日記

誰もいないので一人酒

梅田で家内と昼食を済ませ、クルマを六甲アイランドに向け走らせた。

傘もいらない程度だった小雨が次第強まり、試合が始まるときには本降りとなった。

 

期末試験の終わった翌日が近畿大会一回戦。

初戦の相手は奈良高校だった。

 

家内はママ友らと観戦するが、わたしは少し離れた所で戦況を見守った。

ふと目をやると、さらに端の方に学年主任である村田先生の姿も見えた。

 

序盤で星光優位と見て取れた。

ボールのつなぎ、縦の突破、ディフェンスの囲い込み、個々の技術、すべて星光が上回っていたので危なげのない展開だった。

 

試合を観戦しているいかにも育ちの良さそうな甲南の選手が口々に言った。

星光、めちゃ強い。

 

結果7対2。

快勝であったが反省すべきはアクシデント的に許した2失点。

 

ガッツというのだろうか。

幾人かは出足も踏み込みも十分だったが、気迫がチームの隅々まで行き渡っていれば、失点はなかっただろう。

 

例えばもっと炸裂するような声を出してはどうだろう。

そこそこ声は出ていたが、相手が耳塞ぐほど、ちょっと後退りするほどの声を張り上げれば、気の流れはもっとよくなるに違いない。

 

その昔、友人のサッカー大会の応援に訪れた長男。

声量が度外れて、声援の内容が創意工夫に富んで面白く、邪魔になるからやめてくれと選手でもないのにレッドカードを出された。

 

それくらいを目標に声を出し、闘志むき出しにするくらいでちょうどいいように思う。

 

試合後、何か別件の集まりがあるというので家内をセントレジスまで送る。

夕飯の時間までまだ間があった。

せっかくここまで来たのだからとわたしは実家に寿司を差し入れることにした。

 

クルマを前に停めスムーズに寿司を受け取りたい。

そう考えて、道路沿いで評判のいい寿司屋を調べ大池橋の松寿司を選んだ。

 

なかに入るとプロ野球選手のサインがいくつも架かっている。

名店なのかもしれなかった。

 

寿司だけ届けて西宮方面へと引き返す。

息子と飯でもと思うが、試合後彼らは六甲灘温泉でひと風呂浴び、皆で夕飯を食べてくるという。

 

二回戦の相手は、和歌山の箕島を破った京都の大谷高校。

強豪である。

試合会場はこの日と同じ六甲アイランド。

だから、遠路にある友人らは明日に備え我が家に泊まるということだった。

 

することもないので仕方なくわたしはひとり近所の料理屋に繰り出した。

 

この日、雨のグランドを駆け回っていた息子やその友人の姿が酒の肴。

まだ幼い面影残す中1からの付き合いで、家にもよく遊びにきていていまや鉄の結束誇り母同士の仲もよい。

 

こういうことが父として最も喜ばしく、幸せ噛みしめるような一人酒となった。

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2019年7月13日午後3時 六甲アイランド