KORANIKATARU

子らに語る時々日記

五十を過ぎたから楽をする

谷町筋を挟んで2軒、空堀商店街には弁当屋がある。

昼を過ぎ一歩出遅れれば売り切れる。

だから谷六駅に着いたとき、真っ先に皆の弁当を買ってから事務所に入る。


以前より昼食の質は上がったように思う。

飯はうまいし人もいい。


ある人が言っていた。

平地と高台では住む人の雰囲気が異なる。


そんな話を聞いてまさかと笑ったが、最近は一理あるようにも思えてきた。

海抜と人相。

ある程度の相関はあるのかもしれない。


夕刻、助さん格さんが近隣へと自転車で出発し、わたしは事務所を後にして尼崎に向かった。


きょう整形外科・神経外科クリニックと言えば内視鏡を使う最新手術で有名であるが、院長は33期姜くんの兄であり同じく星光生である。

そのクリニックにて火曜午後、33期の岡本くんが外来を担当している。


先日、高の原で石本くんに診てもらい、その結果を携えこの日、岡本くんの元を訪れた。


大阪星光の同級生だった頃、こんな風に皆を訪ね歩くことになるなど想像もしなかった。


家内とともに岡本くんの話を聞いて、納得。

懇切丁寧に説明してくれ診察は30分にも及んだ。

専門的な内容も説明がわかりやすくて明快。

スキイチは医者だった。

そう実感することになった。


クリニックを後にして、真ん前に停まっていたタクシーに乗った。

行き先は、焼肉「激」。


香櫨園に住むという運転手が言う。

激もいいが、焼肉屋は西宮の方が上。

将軍、三千里、タカラジェンヌも通うという森本など勧めてくれて、家内はすべてをメモしていった。


タクシーを降りる時、運転手が言った。

腰が悪いのですか。

でも安心ですね。

姜先生は名医ですから。


第一人者ですものね、とわたしは頷き貴重な情報ありがとうと言ってチップ100円を手渡した。


初めて訪れた「激」であったが、選んで正解だった。

大盛りのご飯は食べ切れないほどの分量で、肉は近江牛との触れ込みどおりどれもとろける美味しさだった。


家内は喜び今度は息子らも連れてこようと話が決まった。


店を出て前でタクシーを拾った。


事故渋滞が発生していたから運転手は裏道をたどった。

ちょっとした尼崎観光となって、夕暮れに安らぐ路地裏の光景に眺め入った。


29と28で結婚し、いつの間にか50を過ぎて、50という数字に実感が伴わない。

がしかし、50を過ぎたことは子らの年齢からも明らかなことだった。


これからはしっかりカラダをいたわって、楽をしよう。

家内とそう話し頷き合い、それぞれシートにゆったりともたれかかって窓外の安らぎに同化した。

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空堀商店街の弁当

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2021年6月15日夕 焼肉 激 尼崎本店