KORANIKATARU

子らに語る時々日記

遠い声でも貴重な援軍

この冬は寒い。

その分、体力を奪われる。

 

先日のこと。

寒空を見上げて各地を渡り歩き、業務の最終地点に到着したときには夕刻。

すでに日は暮れ、カラダは疲労を覚え始めていた。

 

もう五十過ぎ。

アスリートならとっくに前線から身を引く歳である。

 

応接室のソファに対面で座り事業主の話に耳を傾けた。

刺客に取り囲まれる孤独な剣士。

聞いているうち、そんな時代劇さながらの図が浮かんだ。

 

社長業は気楽で気まま。

それが世間の通り相場かもしれないが、その舞台を照らせば周囲は刺客だらけ。

そんな修羅場と化す場合があるのだった。

 

従業員は何を考えているか分からず時に魑魅魍魎に見え、行政からは意味不明で不穏な文書が手裏剣のようにあれやこれやと飛んでくる。

毎日のように気がかりなことが発生し不安材料が絶えない。

 

いつ斬って掛かってこられるか分からない。

心象を一言にすればそうなる。

だから安閑からはほど遠く、過剰に反応すれば神経がもたない。

 

ふと思う。

このゲームの難度は受験勉強とは比べものにならない。

受験であれば駄目でもまた受ければ済む話である。

 

が、社長業の場合、何が降って湧き、誰を巻き込み、次にどうなるのか結末が見えない。

常に最悪を考えて動かねばならず、しかしその最悪には下限がない。

不安のぬかるみは無限に深く、足を取られるとイメージするだけで息が詰まって鼓動が早くなり、もし実際に足を取られれば、、、そう考えただけで気が遠くなるがそれでも正気を保たねばならない。

 

わたしはそんな剣士に一歩の距離から声をかけるセコンドのようなものと言えた。

孤軍を余儀なくされれば遠い声でも貴重な援軍となるのであるから役割を疎かにできない。

 

夜陰に寒風が吹き荒ぶ帰途、思った。

やはり、味方が大事。

一人であればただただ消耗するだけだが、味方がいれば窮地にあってもまだ気安い。

難度の高いゲームに挑む場合はなおさら。

そういう意味で友だちは多い方がよく、早く見つけておくに越したことはない。

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