朝7時半に家を出た。
助手席に座る家内があれこれ調べ、その指示に従い高速道路を三ヶ日で降りた。
炭焼うなぎ加茂の開店は11時。
その前に到着したが、すでに満杯だった。
12時半過ぎには席が空くとのことだったので、高速道路に戻って浜名湖サービスエリアで買物などして過ごした。
指定された時間に戻り、揃ってうな重の特上を頼んだ。
外がパリッとして内がフワッ。
絶妙の焼き加減がたまらない。
本場浜名湖のうなぎは別格だった。
食後、浜名湖を訪れた。
ロープウェーに乗ってうっすらと見える富士山を拝んだ。
湖畔に遊園地があり、ロープウェーから見えた「急流すべりドン・ブラーコ」に乗ってみようと、それだけのために入園し、大のおとなが子どもたちに混ざってはしゃいで順を待った。
ただ、おとなが楽しむには素朴に過ぎた。
だからこそ忘れがたい。
そんな乗り物体験となった。
そこから蒲郡にある宿へと向かった。
豊川インターで降り、延々と一般道を走り、途中からはひたすら続く一本道をのろのろと進んだ。
午後4時になってホテルに着いた。
部屋は4人部屋だった。
息子たちとタイミングが合えばと思っていたが、彼らと予定を合わせることは至難の業。
室内に設えられた内部屋は使う必要がなくなり、今回もまた夫婦二人で過ごす旅となった。
休憩もほどほどに早速スパに入った。
天然温泉の湯加減がちょうどよく、湯につかってしばし無に憩った。
眼前に三河湾が広がり、露天風呂がその海の延長上にあるかのような視覚効果があって、目まで癒やされた。
長距離を運転した疲れは吹き飛んで、あとは夕飯を待つばかり。
負荷のない時間を過ごせる幸福感がふつふつと沸き上がってきた。
予約してあったブルーモーメントはマリーナに面した場所にあった。
ホテルのクルマでそこまで送ってもらい、三河の海で穫れた魚介をたっぷりとあしらったイタリアンを夫婦で心ゆくまで堪能した。
海を眺めてワインを飲むが、海とワインが時間の流れを優雅で緩やかなものにしてくれた。
五十を過ぎればこんな時間が心地いい。
今回の二泊三日も最良のものとなる。
出だしからそう約束されたも同然だった。