KORANIKATARU

子らに語る時々日記

目に見えこの手で感じることができる

牛乳と豆乳とバナナ、ここにプログリーンを入れミキサーで撹拌してできたスムージーをゴクリ飲み干し、朝からサムギョプサルを食べ、デザートとして皿に盛られた桃の切り身を平らげてお代りする。

 

日毎暑さが増し往来をゆくだけで灼熱に全身を蝕まれるが、しっかり食べているので二男はいたって平気で部活に勉強にと朝から晩まで涼やかこなす。

 

子らが生まれたときからずっとそう。

年がら年中料理に専心してきた家内があってこそ、子らは人一倍丈夫で頑丈なのだろう。

 

だから今度上京する際の荷物も時を追うごと増えていく。

 

向こうで買えばいい、宅急便で送ればいいといったわたしの安直な考えは受け入れられず、品を吟味し、肉などはこの手で焼いて、直接息子に手渡してこそ真の差し入れになる。

家内はそのように考えていて、ここで手を抜くなど彼女にとってはあり得ないことなのだった。

 

ハザマ薬局で買ったプログリーン1箱、産地直送の桃、産地で仕入れたメロン、タコちゃんからもらったうなぎに浜名湖のうなぎ、先日ヤマタケで買った黒毛和牛の焼肉、その他ブリュッセルで買ったチョコにお菓子にエトセトラ、、、わたしが知るだけでも結構な量である。

 

そんな母の心を子らもいつかはきちんと受け止め、自身の体躯と出力が何によってもたらされたのかじっくり思い巡らせるときが来る。

この日記を読めばだいたいのところは把握できるに違いなく、だからここに日記の存在意義があるといっても過言ではないだろう。

 

ちょっとその場に居合わせただけの朝の光景ひとつをもって全貌が理解できる。

 

小さなストライドではあってもたゆむことなく前へ前へと進んで家内は距離を積み重ねてきた。

たいていのものについて努力の成果は不可視であるが、こと子育てにおいてはありありと目に見えこの手で感じることができる。

 

コウノトリが運んできた当初はぷよぷよだった未知の飛来物も家内が愛情たっぷり空気を送り込んで片時も休まず日夜そうし続けたおかげで、くっきりとした輪郭を得てごつく逞しくなっていった。

 

点というには大ぶりに過ぎるが、点と点がつながるように食卓の料理と息子らの姿が太い線で真っ直ぐ結ばれ、今朝わたしはいたく納得したのだった。

 

真面目な長女気質備えた家内を含めれば、真夏の大三角がそこにくっきり像を結ぶことになる。

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2019年8月1日 息子の朝食

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  2017年7月10日サマセットに向け一人出発