あるクリニックで面接に立ち会った。
応募者は既に別のクリニックでパートで働いている方で、更に勤務量を増やしたいとのことだった。
曜日が合わずやむなく見送りとなった。
その応募者がわたしのことを気に入ってくれた。
うちの事務所で働きたいといろいろ調べたところ、未経験者の採用枠はないと分かった。
そういった話を勤務するクリニックで話したところ、院長が言った。
そんな人物がいるなら会ってみよう。
わたしは何も経緯を知らず、問い合わせの連絡を受けクリニックに伺った。
うちの顧問先のどこかが紹介してくれたのだろう。
そう思っていた。
院長は初見でわたしのことをとても気に入ってくれたようだった。
しかし、そこはビジネス。
イージーな決定とはならず、院長が言うには他の同業者にも会ってみるとのことだった。
3つほど別の事務所と面談し、結局、やはりわたしがいちばんとの結論に至って、再度呼ばれた。
そしてこちらの希望額のままわたしはそのクリニックの顧問となった。
そのときになってはじめて、わたしに声が掛かった経緯について知らされた。
不思議な縁に素直に驚き、だからこそこれが良い縁となるよう努力しなければならない、そう感じ、同時に思うのだった。
どこでだって気に入ってもらえる。
それなのになぜごくまれに、成約に至らないケースがあるのだろう。
考えても分からない。
捨てる神あれば拾う神あり。
拾われる方がはるかに多いが、わたしだってたまにはあっさり捨てられる。
まだまだ精進が必要。
そう謙虚に受け止めるべきことなのだろう。