仕事に明け暮れもっぱらの話し相手が家族や友人に限られたまにのぞく外界がネットばかりだと認知が歪む。 限定的で特異な世界をノーマルなものと認識してしまい、その誤解と曲解に気づけない。 特に「生き死に」についての話は談笑のなかで出現すること極め…
武庫川をひとっ走りしたあと裏庭の手入れにかかった。 思った以上に骨が折れ汗だくになった。 屋内を受け持ち掃除している家内がベランダから顔を出したので言う。 喉が乾いた。 家内が冷たいお茶を下まで持ってきてくれる。 風呂上がりに飲むビールよりうま…
前夜は一緒に焼肉を食べたので今夜は寿司。 そうあてこんで一日を過ごし家内からの連絡を待った。 二男の学校の保護者会はとっくに終わっているはずなのに連絡がない。 仲のいいママ友らと連れ立っているのだろう。 面白いから人気者。 長男の中高時代のママ…
海峡を挟み向かい合っているようなもの。 いつしか地形としてそう意識するようになった。 若気の頃は陸続きだとイメージする者が多いが、それだとナイーブに過ぎるだろう。 至近距離での応酬となれば痛手は大きく、特に子育て時、どちらかが猛獣化した際には…
遅くなったので駅前で食べて帰ることにした。 店に入ると無人。 カウンターの端から端まで空席で店主はぼんやり暇に憩っていた。 わたしの姿をみて店主は嫌な顔を浮かべたように見えた。 炭をセットし火を起こし始めるがそれも億劫そうに見えた。 野暮な闖入…
豆腐からはじまり、山菜とホタテの炒めもの、そしてレタスとトマトがたっぷり入ったサラダ。 続いて、フランス土産のふんわりとろとろチーズを賞味しつつ白ワインを飲む。 その間ずっと、家内がスクロールしてくれる彼の地の写真を見続けた。 モネが住んでい…
朝、家の前にある公園のベンチに腰掛けた。 一日降り続いた雨でベンチはまだ濡れていたが、ジーンズなので構うことはなかった。 今だとまだ電車は混んでいる。 空き始めるまであと10分ほど。 何も慌てることはない。 餌がもらえると思うのかハトが足元に近づ…
梅田まで弁当を届けに行く。 家内がそう言うのでわたしも合流することにした。 所定の場所で二男を待ち伏せること10分。 午後6時、約束の時間どおりに二男が現れた。 頑張れよと言って弁当を渡してその背を見送り、わたしたちは夫婦連れ立ち梅田の街をぶら…
朝5時に目が覚めた。 前夜寝床についたのが遅くまだ眠り足りなかったが構わず起き上がった。 家事を済ませ身支度整え、朝6時過ぎに家を出た。 湾岸線を快調に突っ走って朝7時には関空に着き第2駐車場にクルマを停めた。 飛行機の予定到着時刻は朝8時45分…
刺激過多とも言えるほどまばゆい青空を窓の向こうに見ながらツバメ君と横並び、土曜午前は仕事に没頭した。 昼にお開き。 わたしはそこからジムに行き小一時間走って野性の活力を取り戻し、元気はつらつ大阪星光に向かった。 場所は二階会議室。 妹尾くんの…
京都からの帰途、南森町に寄って業務を終えると午後7時。 昼日中の陽射しやわらぎ、そよ吹く風に心がなごむ。 さて、夕飯をどうしたものか思案しつつ電車に揺られ淀川を越えたとき、ふと「北斗の拳」の一シーンが頭をよぎった。 小舟に運ばれ修羅の国へと赴…
真夜中、家内からの電話で目が覚めた。 ブリュッセルから陸路でアムステルダムに入り一日過ごし、スキポールから無事空路でロンドンに到着したとのことだった。 鉄道、飛行機、ホテルなど家内一人で手配しての移動だったから電話の声を聞いてわたしもほっと…
田中院長に連れられたのが最初だった。 さかのぼること5年前のこと。 当時、鮨こいきは四天王寺ワッシーズの真ん前にあった。 あまりに美味しくて驚いた。 その記憶はいまも鮮明だ。 章夫も常連だったので以後、星光33期の飲み会で何度か使った。 きょうち…
駅を降り二男のリクエストに応えスーパーに寄った。 リンゴとトマトとイチゴを買い牛乳も忘れない。 スーパーを後にしたとき電話が鳴った。 家内からだった。 こちらは薄暮が闇へと移り、星々が辺り憚らず輝き出そうとする時間帯。 向こうは星ひとつない真っ…
時間制限を設けると勢いがつく。 1時間で片付けて終われば自由。 そう決め仕事に取り掛かるが気づけば午前10時。 結局4時間かかったことになる。 が、昼前に仕留められれば御の字というのが本心であったから上出来。 これで世間が享受する日曜の安穏に合流…