GW初日、早朝から事務所に入る。
休日なので電話が一切鳴らない。
静か一人で過ごす。
新しいタスクノートをおろし、前回ノートの引き継ぎ事項を手書きで記していく。
過ぎ去った課題の何もかもが懐かしい。
順序は互い違いになりつつもすべてがいつかは終息していく、それが共通点だ。
頭を悩ませたあれやこれは、いつの間にやら終わっていった。
綺麗な起承転結とはならずとも、何がしかの着地をみてやがては記憶の彼方へと消え去っていく。
要は、わたしは「時間」であって、様々な人や事やらで切り結ばれる時間の混合物が私は成している。
そのようなことがタスクノートから浮かび上がってくる。
四方八方から他者の時間が流れ込み、それらが合流する潮目のダイナミックスが、わたしという概念を形作っている。
人間模様を視覚化すれば、時間の渦のぶつかり合いといった景色となることだろう。
そう想像し、仕事や家族といった様々な流れの渦から一歩離れ浅瀬にあがる。
そこから自身を取り巻く流れを眺めてみる。
瞬間瞬間の流れに小突き回されて、ここに到達した。
そしてここから、またどんぶらこどんぶらこと流されていく。
急流くだりのようであった若き頃とは大違い、流れはずいぶんとゆるやかになったように思える。
思うに任せぬ流れのようなものはなく、気ままな自由業、一寸先は闇ながら、なんとか自身の流れを辿っているとの実感を覚えなくもない。
一人になって自らの時間を捉え直す。
何だかとても心が落ち着いてくる。
虚心に見れば行く手は前途洋洋、そう思えてくるから無邪気なものだ。
鬼の笑い声など、聞こえるはずもない。