クラスの企画は射的で行うモグラ叩き。
長蛇の列ができ、のべ700人の入場者、売上は7万円にのぼった。
ここ数年、活況の度を増すばかりの大阪星光学院スクールフェアである。
どこもかしこも人で溢れ返り、その多くが親子連れで小さな子どもたちの姿が目立った。
モグラ叩きのお世話係として励んだ二男であった。
予想外の大盛況。
お昼休憩もとれなかったし、他の催しに顔出すいとまもなかった。
準備の段階から率先して取り組み、遂行にあたっても役目を全うした。
さすが我が家の健さんである。
その様子が動画に収められていた。
夕食をとりながら、わたしは画面の健さんに見入った。
モグラ叩きといえば至ってシンプルな遊びであるが、小さな子であれば勝手分からなくとも致し方ない。
そのような場合、二男がチビっ子の真横についてコツを教え即興のコーチ役となった。
数年前の二男とチビっ子の姿が重なって見え、感慨深い。
確か小学4年のときのこと。
二男は星光のスクールフェアを訪れた。
どの場面でも星光生は親切で優しかった。
心根のよい先輩たちが大挙しそこで出迎えてくれたようなものであった。
彼の胸のうち、それら先輩らの姿が強く焼き付いた。
ふんわり柔らかなディセンシーのようなものにあふれる大阪星光であるが、それは夕陽ケ丘という由緒ある土地の場の力によるものかもしれず、あるいは、校内にある教会が醸し出す雰囲気によるものなのかもしれない。
どんなメカニズムであるにせよ、独特の温かみある空気を発する大阪星光である。
歳月流れ、今度は役割変わって彼は迎える立場の一員になった。
少しずつだが地の塩星の光の精神も板についてきた。
二男は一人の先輩となって年下の諸君を歓迎し、射的を通じ交流を果たした。
大阪星光については、先輩後輩の交流は実は入学前のスクールフェアのときから始まっていると言えるのだろう。
面倒見よく頼りがいある先輩らは、入学したあともそのままであり、卒業したあともずっとそのままである。
スクールフェアの一場面に宿っていた心温まる何かは、大阪星光大忘年会の一角においても見られるものであり、日頃の星光生同士の交流のなかにもごく自然感じられるものである。
やはり神の御業というしかないのだろう。
一夜明け、今日は振替休日。
二男は同級生らと集まってUSJへと繰り出すという。
集合時間を聞いて驚いた。
朝5時30分。
USJの開門が朝7時30分。
6人みなで一番乗りを期す。
休みであっても星光生。
今日も明日もホップ・ステップ・ジャンピングということなのだろう。